ギャラリー色鉛筆


心象風景のある時空

今まで心象風景というコーナーを作ってぽつぽつと描いてきましたが、
そうしたなかで思い浮かんだことを文章にしてみました。

絵を描くということは自己表現のひとつのかたちですが、
私の場合「自分はどういう人間なのか」ではなく、
「こんな不思議な世界を見つけたよん♪」
という感覚で描いているようです。
私の心のかたちではなく、私が見た世界のかたちを描いていると思います。
だから、絵を見て「この人はこういう個性なのね。」で済まされてしまうと、
ちょっとさみしかったりします。

私だけの、表層的で個人的な心象風景ではなく、
もっと深い、誰もが心の底のどこかに共有しているような世界を
いつか表現できればいいなと思っています。
あるいは、心の中ではなく現実世界の果てにそのような世界が実在しているのかも知れません。
もしかしたら心の深奥と世界の果てはつながっていて、区別がつかない時空なのでしょうか。
などと、空想したりしてます。

想像もつかないくらい広大な世界のどこを採掘するか、
目に見えないものをどういう形で見えるようにするかというところで
その人なりの個性が出るものだと思いますが、
おおもとの世界はきっと誰もが互いに共有できるのではないかという気がします。
自分に近い、遠いの違いがあるにしても。

私の絵から何かしら誰かに伝わるものがあれば
「ひとりよがりじゃなかったんだ」と嬉しくなります。
いろんな見方をしてもらえると楽しいです。
私の絵の未熟な部分は見る人の中で完成させてもらえればと思います。
ただ私の能力では、いつ採掘不能になるか不安なところですが・・・
(2001.10.26)